夏休み企画 W氏のイタリア旅行記 総集編5

第五弾




第八夜 地獄のロード~ローマ観光

出発から少しの間は多少てこずりましたが、なんとかナポリの迂回を完了。
海岸線に出てからは一本道で、もう道に迷う心配はありません。まっ平らな道をひたすら走るだけです。
今日の目的地Gaetaは、古い城壁に囲まれた、海沿いの美しい町、のはずでした。
確かにその通りではあったのですが、実際は、古い城壁”も”あるビーチリゾートでした。
3時ごろには余裕で辿り着き、ホテルを探したのですが、ビーチには人があふれ、何軒かあるホテルはすべて満室でした。
仕方がないので、少し離れた次の町まで走ることにしました。
ところが、次の町も美しいービーチが続き、やはり人だらけ、ホテルもすべて満室でした。
やむを得ず、さらに次の街まで走ります。
しかし、ここも状況は全く同じ、むしろ悪くなっているような気がします。町の外のビーチ沿いの道にも路上駐車の車が延々と並んでいます。
今日は月曜日、いくらイタリアでも、平日に休める人がこんなに沢山いるのはおかしいな、と思い、次にたずねたホテルで聞いてみると、やはり祝日とのことでした。しかも、今シーズン最初の大型連休で、すでに土曜日から、部屋は予約で埋まっているそうです。明日以降なら部屋はあるそうですが、それでは意味がありません。
キャンプ場まであたりましたが、やはり全てダメ。
時間もだんだん遅くなり、走行距離も増えてきて、厳しい状況になりつつありましたが、先に進むしかありません。時間的には次の町が限界です。祈るような気持ちで、先に進みます。
走りに走って、7時過ぎにTerracinaという町に着きました。
しかし、町に入った瞬間、これはダメだ、と感じました。路上は人でごった返し、車道も沢山の車で大渋滞しています。
ほとんどあきらめムードで、一応ホテルを回ってみましたが、案の定全て満室。
野宿決定です。
だんだん暗くなってきたので覚悟を決めて、最後の手段、警察へ向かいます。
当直の警官が、いろいろ親切に教えてくれましたが、警察署の前で野宿することだけは、どうしても許可してもらえませんでした。
あてが外れて万策尽き、仕方なく、できるだけ安全そうなビーチの前のベンチに陣取ります。今夜はここで野宿です。目立たないように自転車を物陰に置きます。
幸い、完全な観光地なので、治安は悪くなさそうで、浮浪者や物乞いの類の姿はありません。
それでも、時折若者が海を見にやって来るので、なかなか落ち着きません。万が一を考えて、交代で眠ります。
うとうとしながも完全には眠れずに時間が過ぎ、ようやくまわりから人影が無くなったのが、深夜の2時過ぎでした。
振り返ってみると、走行距離じつに130km!最長記録更新です。
ある意味「水曜どうでしょう」のヨーロッパ編を超えました(ご存じない方、ごめんなさい)。全くうれしくないですが。
※ちなみに、後で調べて分かったのですが、イタリアの共和国建国記念日の祝日だったようです。情報収集を怠ってはダメだということですね。6月中はもう祝日はないので、今後は安心です。
写真は、夜明かししたベンチのすぐ前のビーチです。

昼間の暑さがうそのような冷え込みで、ふるえながら、朝の5時半頃に起きました。
ここに留まっていても仕方がないので、意を決して走り出すことにします。
本来は2日かけて走るはずだったローマまでの道のりですが、昨日かなりの距離を走ってしまったために、今日1日で辿り着けそうです。
昨日は、走行距離は長かったですが、平坦な道が多かったので、母にそんなに疲れが残っていなかったのは幸いでした。
朝早くからやっているBARをみつけて朝食をとり、7時過ぎには走り出しました。
写真は、早朝のTerracinaのメインストリート。昨日の賑わいが夢のようです。

今日の道も平坦基調です。
せっかくなので、有名なアッピア街道を走ってみます。
雨が時折ぱらつく中、夕方4時頃、無事にローマへ到着しました。
写真は、「アッピア街道の松」です。
ローマまで100kmを切っています。

ローマに入って、まずはツーリストインフォメーションへ行くため、テルミニ駅へ。
とても大きな駅で、多くの人で混雑しています。やはり今まで通ってきた町とは規模が違います。
早速インフォメーションカウンターへ行ったのですが、なんとコンピューターがダウンしていて、ホテルの検索ができないとのこと。さすがです。
ローマにはものすごい数のホテルがあるので、足で探すのはなかなか大変です。
そこで、ネットカフェへ飛び込み、調べます。条件は、そこそこ安くて、駅から近く(もうあまり動きたくなかったので)、インターネットに接続できること。
とりあえず良さそうなホテルをみつくろって、行ってみます。
写真はテルミニ駅の構内です。

今回の旅行3カ国目となるバチカン市国へ入国です。
といってもほんとに入っただけです。

ローマ観光の様子の何枚か。
どこも定番ばかりですが、普通と少し違うのは、自転車で回っているということです。
ローマの町は石畳のところが結構あり、さらに一方通行が多いので、実は結構走りにくいです。それでも徒歩と比べると断然効率よく名所を回れます。交通費もかからないのでやはり良いです。それと、各観光スポット間の位置関係をしっかり把握できるのもメリットだと思います。
写真は、テヴェレ川のすぐそばまで下りてみたところです。一応自転車レーンらしき線が引いてあるのですが、石畳で走りにくいです。

コロッセオの写真をもう一枚。

ヴェネツィア広場です。

トレヴィの泉です。
以前訪れた際に投げたコインが効いたようで、また来ることができました。
ちなみに今回はコインは投げていません。

スペイン広場です。残念ながら、上のほうは工事中でした。
それにしてもすごい人の数です。

母が単調な食事にかなり辟易していたので、夕食は中華料理を食べることになりました。
ホテルのすぐ近くの食堂です。このあたりは中国人のコミュニティーがあり、ここは完全に地元の人用の食堂だと思います。お客は全員中国人、誰もが大声で話をしていて、かなりの騒がしさです。ここがローマだというのを忘れそうになります。
駅のすぐ裏にもかかわらず、観光客は全くいません。
注文の仕方も良く分かりませんでしたが、何とか頼み、さっそく食べてみました。
すると、これがなかなかうまい!
ボリュームもたっぷりです。
久しぶりに白いご飯を食べられた母は大満足でした。
写真は出てきた料理の様子です。この後もう一品来ました。
満腹でホテルに帰って休みました。
それにしても、屋根のある部屋のベッドで寝ることができるのは本当に幸せなことです。
一昨日の状況と比べると、まさに天国のようです。

居心地が良いので、ローマにもう一泊することにしました。
午前中はゆっくり休み、午後からゆっくり観光です。
今日は歩いてみて回ることにしました。
写真はフォロ ロマーノです。

映画「ローマの休日」でおなじみ、「真実の口」です。
ここは日本人観光客の割合が、他の場所と比べて圧倒的に多くて面白かったです。





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