地獄のロード (2008年6月1日)

出発から少しの間は多少てこずりましたが、なんとかナポリの迂回を完了。
海岸線に出てからは一本道で、もう道に迷う心配はありません。まっ平らな道をひたすら走るだけです。
今日の目的地Gaetaは、古い城壁に囲まれた、海沿いの美しい町、のはずでした。
確かにその通りではあったのですが、実際は、古い城壁”も”あるビーチリゾートでした。
3時ごろには余裕で辿り着き、ホテルを探したのですが、ビーチには人があふれ、何軒かあるホテルはすべて満室でした。
仕方がないので、少し離れた次の町まで走ることにしました。
ところが、次の町も美しいービーチが続き、やはり人だらけ、ホテルもすべて満室でした。
やむを得ず、さらに次の街まで走ります。
しかし、ここも状況は全く同じ、むしろ悪くなっているような気がします。町の外のビーチ沿いの道にも路上駐車の車が延々と並んでいます。
今日は月曜日、いくらイタリアでも、平日に休める人がこんなに沢山いるのはおかしいな、と思い、次にたずねたホテルで聞いてみると、やはり祝日とのことでした。しかも、今シーズン最初の大型連休で、すでに土曜日から、部屋は予約で埋まっているそうです。明日以降なら部屋はあるそうですが、それでは意味がありません。
キャンプ場まであたりましたが、やはり全てダメ。
時間もだんだん遅くなり、走行距離も増えてきて、厳しい状況になりつつありましたが、先に進むしかありません。時間的には次の町が限界です。祈るような気持ちで、先に進みます。
走りに走って、7時過ぎにTerracinaという町に着きました。
しかし、町に入った瞬間、これはダメだ、と感じました。路上は人でごった返し、車道も沢山の車で大渋滞しています。
ほとんどあきらめムードで、一応ホテルを回ってみましたが、案の定全て満室。
野宿決定です。
だんだん暗くなってきたので覚悟を決めて、最後の手段、警察へ向かいます。
当直の警官が、いろいろ親切に教えてくれましたが、警察署の前で野宿することだけは、どうしても許可してもらえませんでした。
あてが外れて万策尽き、仕方なく、できるだけ安全そうなビーチの前のベンチに陣取ります。今夜はここで野宿です。目立たないように自転車を物陰に置きます。
幸い、完全な観光地なので、治安は悪くなさそうで、浮浪者や物乞いの類の姿はありません。
それでも、時折若者が海を見にやって来るので、なかなか落ち着きません。万が一を考えて、交代で眠ります。
うとうとしながも完全には眠れずに時間が過ぎ、ようやくまわりから人影が無くなったのが、深夜の2時過ぎでした。
振り返ってみると、走行距離じつに130km!最長記録更新です。
ある意味「水曜どうでしょう」のヨーロッパ編を超えました(ご存じない方、ごめんなさい)。全くうれしくないですが。
※ちなみに、後で調べて分かったのですが、イタリアの共和国建国記念日の祝日だったようです。情報収集を怠ってはダメだということですね。6月中はもう祝日はないので、今後は安心です。
写真は、夜明かししたベンチのすぐ前のビーチです。

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