自主点検

まず、基本的にイベント前には自転車屋さんで点検してもらいたいのですが、日常生活ってなかなか忙しいモノで気が付く『明日、イベント当日じゃん…もう夜の九時だ…』と言う事ってありますよね…そこでそんな時の基本的な最低限の点検を書きたいと思います。(過去の記事の焼き直しなんですけどね…

①前・後輪の『クイックレリーズレバー』がちゃんと締まっておりかつ『CLOSE』と書かれている文字が見えているかどうか(参考記事)、または『車輪の取付ナット』がゆるんでいないか確認。
②各部にガタ(特に初心者の方はハンドル周りのガタに気付いていない事が多いように感じられます)を確認。ハンドル回りは前ブレーキをかけながら自転車を前後にゆすります。『ガタ』がある場合はハンドル廻りが『カクカク』と前後に動きます。次に軽く自転車を持ち上げて、ストンと自転車を落とし、落下音の感じがあまりにもおかしい場合(どこかに『ガタ』や『緩み』がある場合は『チェーン』の『ガシャーン』と言う音以外に変な音がする傾向にあります。)

③ブレーキシューの減り方、効き具合、ブレーキワイヤーのほつれ具合(2、3回ブレーキレバーをおもいっきり握ってみてください。ワイヤーやブレーキ本体に損傷がある場合はワイヤーが切れたり、本体が壊れたりするので乗車前に損傷個所がわかる場合があります。)を確認。

④前輪を内腿で挟んでハンドルを上下左右に捻り、動かないかどうかを確認

と言う方法です。
この4点以外にも点検確認する箇所はありますが、どうしようもない場合は最低限この4点を自主点検していただき(全部ではありませんが『重大な事故』に直接繋がりそうな事案を書き出しました)異常があった場合は、会場にあるメンテナンスブースや同行者、廻りの人、お店に電話等をして対処しましょう。(場合によっては『出走しない』と言う選択も入れましょう)

そして、もう一度書きますが、理想はイベント前に(パーツが壊れていた場合はパーツ取り寄せもあるので1~2週間前がいいと思われます。)自転車屋で点検してからのイベント参加です。









ダイレクトマウントブレーキ

先日、初ダイレクトマウントブレーキキャリパーなるモノの組付けをしました。展示会で付いていた完成車を触っていた時は『う~ん…』と言う感じでしたが『68アルテ』&『ポリマーコーティングブレーキワイヤーセット』で組んでみると展示会の時と全然違ってびっくり!。ブレーキの剛性感も雑誌等に書かれているように同じアルテグレードのキャリパーブレーキよりもあるような気がします。ただ、ブレーキをフレーム本体から取り外す時は気をつけないと大変なことに…そして、『治具』の再装着も気をつけて装着しないとこちらも大変です(『治具』をブレーキ本体から取り外すと右と左のブレーキアーチがこちらの想像以上にバラバラになりますので…私はまるで『知恵の輪』をやるような感じで『治具』の再装着する事になりました
あと、BB裏のブレーキはやっぱりメンテナンス性はよくないな…と言うのが正直なところです…

また、最近になって気付いたのですがアルテグレードの『ポリマーコーティングブレーキワイヤーセット』が¥2,902で販売されているんですね。これで68アルテブレーキ本体¥12,974にバーテープとか工賃とか含めて大雑把に2万円くらいで快適なブレーキフィーリングが得られるわけですから、現状『6700系 アルテグラ』、『5700系 105』、『4600系 ティアグラ』を使用している方で『ブレーキをかけ続けると手が疲れる』と思っている方は試してみる価値はあると思いますよ。

ちなみに『ポリマーコーティング』 のワイヤーを従来のブレーキに使用した場合、ワイヤーの滑りが良すぎてブレーキ本体にワイヤーが確実に固定できなくて危険だからやめてね!との事でした。








かなり前にも書きましたが…ブレーキワイヤーは切れますよ。

雨の中自転車を乗る機会が増えるこの季節。雨天時の走行はブレーキが効きにくくなるためブレーキを通常よりもも強く握る機会が増えるのですがそこで起きるの写真のトラブル。そう、ブレーキワイヤーの破断です。
前回記事を書いたのも6月で、やはりこの時期は上記の理由等からブレーキワイヤーが切れてしまうお客様が多いように思えます。『ワイヤー切れ』のトラブルを回避するためにも前回の記事で書いたような『ブレーキワイヤーの点検』をしていただくことと、『錆び』や『ほつれ』がなかったとしても2年毎の交換(今まで一度も交換したことがないと言う方もそこそこいらっしゃるようです。特に軽快車の方…)をしておくと安心です。(作業代金は1本¥1500~¥3000くらいです。)
切れた後では遅いです。定期的な『点検』『交換』をしていだければと思います。








簡易式トルクレンチ


TOPEAK コンボトルクレンチ&ビッドセット ¥1,995(税込)

普通に買うと高額なため一般ユーザーではなかなか手が出せない『トルクレンチ』。そんな『トルクレンチ』の簡易版がお手頃価格で販売されました。

こちらの商品はネジを締め付ける際に『レンチのハンドル部』に起きる『捻れ』を利用して簡易的に『トルク』を測る仕組みになっています。あくまでも簡易的なモノなので正確な数値ではないのですが、一般ユーザーが『感』で締め付けるよりは安心だと思います。(メーカー担当者さんは『通常のトルクレンチと比べたところ割と正確でした(笑)』との事)3~12N・m対応ですので『ステム』『ハンドル』『シートクランプ』の締め付け時等に使えそうです。
※とは言え、パーツを組付けた後は必ず『力』をかけてみてパーツが動かないかどうかはご確認ください

 

用意されているビットは『3』『4』『5』『6』『T25』 となっております








互換性あります。


BR-9000 前後セット ¥32,135(税込)

展示会の時聞いていたのですがすっかり忘れていました…、巷ではすでにやってらっしゃる方もいますが、2013モデル話題の『9000 DURA‐ACE』のブレーキキャリパー『BR-9000』は従来のブレーキ規格『NEW スーパー SLR』に対応しています
。『7900 DURA-ACE』 『6700 ULTEGRA(di2も)』 『5700 105』 『4600 TIAGRA』までは想像がつきますが、なんと、 『3500 SORA』まで互換性があるんです。

交換する事によりワイヤーの引きの抵抗感も『軽く』なり、 もちろん『制動性』&『コントロール性』もアップらしいです。『ブレーキ』と『ホイール』はいいモノを使っても『損』な事はなく『得』な事ばかりですのでこの年末におススメの機材アップグレードです。

しかし、9000系が出たとは言え、適応表から『79系』が消えているのはせつないな…









Vブレーキシュー交換時の注意点 (スペーサーの順番)



時々持ち込まれてくる修理車の中で『Vブレーキ』のシューのスペーサーの『順番』『向き』が間違って取り付けられている方を見かけます。(もちろん、気付いた時は直してお渡ししてますよ~)
たしかにブレーキシューは自転車屋でなければ数多く交換しないので解りずらいと思いますが、『向き』を間違えると、ブレーキシューの角度が調整できると言う利点がなくなり、またシューの固定力が弱くなる場合もございますのでご自身で交換される場合は『順番』と『向き』に気をつけて交換をしましょう。


基本的には『シュー本体』 ⇒ 『半円の凹スペーサー(厚)』 ⇒ 『半円の凸スペーサー』 ⇒ 『ブレーキ本体』 ⇒ 『半円の凸スペーサー』 ⇒ 『半円の凹スペーサー(薄)』 ⇒ 『平ワッシャー』 ⇒ 『取付ナット』 の順番です。
ただ 『半円の凹スペーサー(厚)』 と『半円の凹スペーサー(薄)』に関しては『リム』と『ブレーキシュー』との距離によって、『厚』と『薄』を『入れ替える』があります。このため、『凹スペーサー』の順番は現物合わせで臨機応変に入れ替えていただいた方がいいでしょう。
※取り替え前のブレーキシューの順番通りにすればだいたい合うと思います。



問題の『向き』に関してですが『凹スペーサー』と『凸スペーサー』をアップで見るとこうなっています。そして、このスペーサー名前の通り『凹』と『凸』の形なので合わせる向きがあります。(私が勝手につけてますが…)


こちらが正解の合わせ方。凹部分に凸部分がちゃんと入っています。このおかげで自由に角度調整ができ、『トーイン調整』や『微妙なシューの角度調整』などができるのです。

こちらが失敗の例ですね。『凹』と『凸』がかみ合っていません。これでは『角度調整』が出来ないどころかきっちりとブレーキシューを取り付ける事が出来ません。また、ブレーキシューとリムの隙間も正しくなくなります。
『ブレーキシュー』と交換する際は以上の点に注意して頂ければと思います。あと、初めてのパーツを『分解⇒交換』をする際は『古いパーツを分解した順番通りに並べておく』 をしておくと交換する際に組付の参考になりおススメです。これはパーツの『分解⇒清掃』などをする時にも有効ですね~

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お値段はちょっと張りますがおススメのブレーキパッド。シマノ製よりも雨の日の制動力も高く、ブレーキダストもシマノに比べれると少ないです。(リムが汚れにくい) 次回からはシューのみ(4個セット定価1600円ぐらい)交換で済むため安くすみます。

Vブレーキシューの取付・調整はL字型のヘックスレンチよりも、こちらのタイプのヘックスレンチの方がリムへ押し当てながらシューの位置調整ができ軽い力で締め付けができるのでおススメです。

今日のお花

クレマチス 「写真提供:花咲ジジイ ブログ http://tatechan.blogspot.com
※ 明日4/26日(火)~28(木)は都合により臨時休業日とさせていただいております。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。




スローパンクの原因はこれだった…



今回のタイヤ(MAXXIS PADRONE)はかなりお気に入りだったのですが何故か『リアタイヤ』が一日経つと空気圧が1/3くらいに…
スローパンクなのは間違いないのですがパンク防止液を入れてもタイヤから液が吹き出てることもないため穴は開いていなさそう…「なんだろ?????」と思いながらあっちこっちをいじって、やっと原因を発見しました。

年式やメーカー、モデルによって違いますが、私が使っている『フルクラムレーシング1』は写真と同じタイプで『バルブコア(バルブの中心部分)』が取れるタイプで、このコアのゴムパッキン部分とシール部分が傷んでいて、どうやらそこから空気が抜けていたようです。(またはコアが緩んでいたのかもしれません)交換をしたら問題なく空気圧が保持されました。
このコアが取れるタイプのバルブ。『チューブレス対応』だけでなく『通常のチューブ』でもメーカーによっては存在します。バルブの先を折ってしまった時に交換できたりパンク防止剤を注入するのに楽だったりと便利な一方、取れないタイプと比べてコア部分の緩みが原因でスローパンクをしたり、空気入れの口が『ねじ込み式』のタイプのだったり、『バルブキャップ』がアルミ製の場合、ポンプを外そうとした時やバルブキャップを外そうとした際にこのコアまで一緒に取れてしまったりなんて事もあります。このため時々緩んでいないかチェックしておくといいでしょう。

専用工具も販売されています。
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本格的な工具はこちら

ちなみに『緩み』のチェックだけでしたらラジオペンチ(お店ではシマノの完組ホイールに付いてくる振れ取り用工具を削って使ってます。)とかでも可能です。確認の方法は『コア』の部分に平らになっているを個所をペンチで軽くつまんで軽く締めてみるだけと簡単です。チェックの際には強く握ってコア部のネジ山を潰してしまったり、コアを締めすぎないように気をつけてましょう。

ちなみにコアを取るとこんな感じです。当たり前ですがネジ山が切られてます。
今日のお花
昨日の雨でけっこう落ちてしまっているかも知れませんが日曜日に行った文京区にある 『播磨坂』 の桜はきれいでしたよ~

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ポテチ


『ポテチ』と言っても『ポテトチップス』ではありません。一応、業界用語ですが
『ぐにゃぐにゃに曲がってしまったリムやホイールの状態』を『ポテチ』とよく言います。
『フレーム破損』の次くらいに切ない破損ではないでしょうか…私は『初めてのレース』しかも『試走』でこれをやり、とても切ない気分でコースをとぼとぼと自転車を押して帰った記憶があります。それ以来、ホイールだけは壊れないようなトップグレードを選ぶようにしています。
今回、お買い物自転車の修理であまりにも見事な『ポテチ』だったので写真を撮ってみました。前輪がこんな状態にもかかわらずお客様が全く怪我ないのがなによりです。