上りって…

『どうしたら楽に登れますか?』と聞かれる事がたびたびありますが、これにはおそらく自転車業界で大変に有名な言葉が的確な回答だと思います。それは…

『サイクリングはより楽になるものではない。ただ速くなるだけだ』  グレッグ・レモン

て事です。
さすが3回ツールで勝っている人!名言です。そうなんです。結局、同じ山を何度も上って経験値を積んで装備をパワーアップしても頂上まで速く到着するだけで決して楽にはならないんですよね~

とは言え、レースでも練習でもないサイクリングで辛いのは嫌なので『1日ロードサイクリング』で少しでも『楽』と言うか『楽しんで』に上るために私が実践している上り方はこんな感じです。

1.何度か上る峠であれば『ぜーぜーハーハー』している時の『タイム』または『スピード』を覚えておいて基本的にそれよりも下の数値でのペースで上る。
要は『がんばらない!』と言うことです。ですが、一番効果的です。複数人で走ると人間がんばっちゃうものなのですが、そこは『サイクリング』です。『速い』事にあまり意味はありません!一緒に走っている人達が競争し始めても『大人』の対応でマイペースでややゆっくり目で走りましょう。上り口でビューと先に行ってしまうと後半にへばる事がおおく、結局頂上でのタイム差はそれほどなかったりする事が多々あります。ちなみにこちらの方法。パワーメーターがあるとより正確に確実に効果的に『手抜き』が可能となります。

2.下を見ない。進行方向(前)を見る
よく 、上りで疲れてきっている状態の方でよく見かけるのが『うつむいて』、『サイクルコンピュータ』をじーっと見て我慢している方です。気持ちはよくわかります。が、サイクルコンピュータの速度や距離をじーっと見ても決して速度はあがりませんし、『辛さ』は絶対に解消されません。また、たぶん、サイクルコンピュータ見て速度が上がる人は余裕がありありな人達なので今回の参考にはなりません。
では、疲れている時にどうしたらいいかと言うとこれも私自身もやっていて効果的だと思っているのですが、顔を上げ、進行方向(前または上り坂なので上?)を見るようにしています。これだけで呼吸はしやくなります。普段の日に一度『下向いて呼吸する』『前を向いて呼吸する』を試して頂ければよくわかると思います。つまり、ただでさえ辛いのに、そこに下を向いて呼吸がしづらい状態で自転車に乗ると言う事はとっても疲れる事をしていると言う事なのです。
と言うことで、『辛さ』を感じたらまずは『前!』を向くようにしましょう。さらに、そこで深呼吸を数回して気持ちの部分をリセットし、手のひらから肩に掛けて腕全体を脱力する(ハンドルを握るのではなく手を添えているだけの感じ)とより効果的です。

3.周りの景色を見る
まあ、林の中を走っていると見えない時もありますが…(個人的には木々に囲まれた上りって好きなんですけどね。)とは言え、『上っている』と言うことは『標高が高い場所』に向かっているのでちょっと横を見れば『景色のいい場所』になっている事が多いはずです。せっかく辛い思いをして上っているのにそれを見ないのはもったいないとも言えます。また、これも上記の内容と重複するのですが景色をを見る事により苦しくて縮こまっている上半身を伸ばす(広げる?)と言う効果があります。

4.休む
一気に峠を上るのも『上りの醍醐味』ですが、『イベント等で制限時間に間に合わない』や『帰宅時間に間に合わない』等の理由がある場合でなければ『疲れたら休む』と言うのも選択肢の一つだと思います。ただ、複数人で走っている場合で周りに誰もいない場合は先に上っている人にメール等で一報入れておく事を忘れずに!(電話だと出れない事の方が多いと思いますのでメールの方がおススメです。)
特に、これからの季節は気温も上がり熱中症の危険性も出てくるため、日差しを遮るようなモノが全然ない峠の場合、初心者の方はこまめに休憩を入れるといいかもしれません。

とまあ、 テクニックと言うよりは『心構え』と言う感じの内容なのでした。テクニックに関してはWEBや書籍やDVD等沢山文献が出ておりますのでそちらをご参照ください。でも、けっこうこの『気の持ちよう』ってヤツで『上り』の感じ方は変わるような気がするので試してみていただければと思います。

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