いよいよ、各社2017モデルから本格的にディスクロードが入門用モデル~本格レースモデルまで各種ラインナップされたような気がします。
私も試乗して1度使ったら電動変速システム以上に元のブレーキに戻れなさそうなくらいの好印象でおススメのアイテムなのですが…私が『これはいいぞ!!』と言っても『自転車屋さん』ですし、MTBで使用している&メンテナンスも自分で可能。このため『ディスクブレーキ』にアレルギー反応は全くないですから『ディスクブレーキ最高!』となるわけです。とは言え、
『ディスクブレーキ』を使用したことのないユーザーからすると『本当に大丈夫なの??』と言う『不安の対象』も多々あるはず。そこで、ロードディスクブレーキ』のネガティブな要素を考えてみました。ただ、ネガティブな事ばかり書いてもしょうがないので、私なりの『考え』も書いてみました。
『ディスクロード』をお考えの方はご参考にしていただければと思います。
1 『ディスクローターでケガをする』
2016年にUCIのレースで一時中止になった理由です。たしかに走行中は鋭利なローターが高速で回っているため『ローター』に接触しようものなら大事故になる可能性はあります。しかし、それを言い始めると『チェーンリング』も『最近のエアロスポーク』も接触があった場合は大事故につながりそうな気もしますし、集団落車や集団が密集している状況下であればローターに接触する可能性もありますが『単独走行時』での落車で自らのディスクローターでケガをする可能性は少ないでしょう。
では、どのような時に『ディスクローターに接触して怪我』をする確率が高いか考えたところ、ここからは経験談なのですが、おそらく、『自身でディスクブレーキのメンテナンスをしている時』のように思えます。
実際に私もローターがキャリパーに接触している修理しているときにうっかり指がローターに接触。親指をザック!とやってしまいました…(^^;)
あと、子供がいて初めてわかりましたが子供って『リアホイールを回すのが大好きなんです…』 あとは想像していただくとわかると思いますが…これが一番怖いかも!お父さんお母さんはディスクブレーキの自転車の保管場所には気を付けちゃんと子供には『危ない!』と説明しましょう!
2 『ブレーキキャリパーの取付方法・ホイール・フレームの規格は確定されたのか』
購入を考えている方で上記のケガよりも気にしているかもしれないのがこちらだと思います。とりあえず、ブレーキキャリパーの取付方法は『フラットマウント』。スルーアクスルの規格が『フロント100x12 スルーアクスル』『リア142x12スルーアクスル』』で落ち着いてくれるのでは…とは思いますが、こればっかりはコンポ、フレームメーカーサイドの方が『強い』と言うか『主導』なため『ユーザー』としては新規格を出されると泣くしかない…ということろはあります。(;_;
また、こんなこともありましたので規格は調べてから購入した方がいいですね。
3 『サイクリング等の途中でのトラブル』
サイクリングやツーリングの最中にディスクブレーキの『ホース』が切断されるような事態がおきたり、キャリパーが破損しどこからかブレーキオイルが流れてしまうとブレーキの使用ができなくなり走行不能になります。
とは言え、ホースが切断やキャリパー破損をするようなトラブルであった場合、通常のキャリパーブレーキであってもブレーキの使用ができなくなるような状態のトラブルが起きている可能性が高いと思われます。これに関しては『リスク』をどこまで考えるかという感じですね。
ただし、『修理作業』となると違ってきます。まず、『ディスクブレーキ』の修理が可能な店舗となると『スポーツバイク専門店』かつ『ディスクブレーキの取付作業』を行ったことがある店舗でなければ厳しいと思います。また、『油圧ディスクブレーキ」の場合、修理費用もキャリパーブレーキに比べ高額になります。(パーツ代もワイヤーに比べれば高いですし、作業も手間がかかるため工賃はあがります。)その点はキャリパーブレーキに比べデメリットです。
4 『消耗品パーツの劣化の確認がしにくい(ブレーキパッドの減り方、ブレーキオイルの劣化)特に油圧ディスクブレーキ』
『機械式のディスクブレーキ』の場合 『パッド』が減った場合、通常のキャリパーブレーキの時と同じように『レバーの引き量に大きな変化』がおきます。このため『パットの摩耗』に比較的気づきやすくはあります。ピストンを動かしているワイヤーに関しても目視で『劣化しているかどうか』はある程度確認が可能です。
『油圧ディスクブレーキ』の場合 『パッド』が減った場合、ブレーキパッドを押し出すピストンがローター側に出てきてくれる機構のため、『レバーの引き量に大きな変化』がおきにくいです。。このため『パッドの摩耗限界』に達するまで気づかない方もいらっしゃいます。また、ピストンを動かしている『ブレーキオイル』に関しても外観を見るだけでは劣化の確認はできません。
このため、安全な走行をするには『定期的な点検、オイル・パッド交換』が必要になるため『3』でも書きましたが通常のキャリパーブレーキに比べるとメンテナンス費用のコストアップという点でデメリットになります。。
とは言え、ディスクブレーキの1番のメリットである『軽いタッチと安定した制動力』は『油圧ディスクブレーキ』でなければ得られないため、このあたりは難しいところですね。
5 『ホイールが装備されていない状態でのブレーキレバーを握るとホイールが装着できなくなる』
『油圧ディスクブレーキ』の場合 ディスクキャリパーにローターが装着されていない状態(ホイールが装備されていない状態)でブレーキレバーを握ってしまうとパッド(ピストン)が通常よりも内側に押し出されてしまい、ローターが入る隙間がなくなりホイールが装着できなくなってしまいます。これは輪行時や車に積載する際に起こりうる『ディスクブレーキ』ならではアクシデント(デメリット)です。(『機械式ディスクブレーキ』の場合は大丈夫です。)
このトラブルの回避方法としては『ディスクパッドスペーサー』というディスクキャリパーにパッドが出過ぎないように挟み込んでおくスペーサーを使用します。(本体購入時に付いてきます)そちらを使用していただければほぼ大丈夫ですし、わずかな隙間があれば小さなマイナスドライバー等を使って隙間を少しづつ広げ装着が可能な状態に戻すことは可能です。
6 『ローターのゆがみ』
輪行や車の積載、転倒等の際にディスクローターが何かに接触し曲がってしまうと、ローターがパッドに接触してしまう状態(ローターのかすり音、ひどい場合はブレーキがかかってしまうたり、キャリパーを破損させてしまう)が発生してしまいます。これは『ディスクブレーキ』ならではデメリットです。
これに関しては『輪行』や『積載時』に気を付けていただくしかありません。
7 『キャリパーブレーキとの制動力の差』
確かにホイールを軽い力で簡単にロックしてしまう性能をディスクブレーキは持っています。このため『パニックブレーキ』をしてしまうとホイールを簡単にロックしてしまい転倒する可能性は上がります。こちらに関しては『使い始め』は気を付けていただく必要がありますが『慣れ』による問題の解消が可能だと思います。
それよりも上記にも書きましたがディスクブレーキのおかげで急な減速も可能になりコースアウト等を防げるケースも出てくると思います。(そもそもはコースアウトするようなスピードで走るのがまずいのですが…)。また、集団走行時に制動力の違いが『落車をまねきやすくなる。』と言う話もあります。
ここからは以前記載してから改めて考えて記載し直したことなのですが、私の基本的なスタンスとしては『ブレーキ』問題だけにせず、『乗車スキル』の問題も同時に考えた方がいいと思いますが、たしかに『様々なカテゴリーの人が集まるエンデューロレース』等はブレーキポイントの違いによる『集団落車の原因』になりえるかもしれません。とは言え、『キャリパーブレーキ』においても同様な事は起きるため『ディスクブレーキ』だからにしてしまうのもどうなんでしょう??と言う問題だと思います。
8 輪行時に『ブレーキ内でエアかみ』が発生してブレーキが使用できなくなる
たしかにブレーキオイル内にエアが残っていた場合、輪行する時にディスクキャリパーやブレーキレバーのリザーバータンクにエアが入ってしまい、ブレーキが利かない状態になってしまう事も考えられます。(特にエンド金具をしようする縦タイプや自転車をひっくり返しハンドルとサドルで自立するタイプ)
ただし、ブレーキのブリーディング作業がしっかりと行われていれば問題は発生しにくくなります。
もし、それでも気になる場合は鉄道会社によって輪行可能かどうかが違ってきますが『前輪だけ外すタイプの輪行袋』を使用すると『乗車状態に近い状態』で輪行が可能になりますのでこの問題が発生しにくいと思われます。
9 本当ににディスクブレーキは必要なの?
2018年になってこの記事を読み直しているのですが、基本的に気になる点は変わっていないと思います。2018年になって本当にユーザーにとって『ディスクブレーキ』が必要なのかどうか改めて考えてみましたが、いまのところ私個人的には『有れば大変便利だけど「雨に日」に乗るわけでもないし、買い替えるほどではない…。が、新しく買い替えなくちゃいけない時もしくは。たぶん、メーカーもそのうちキャリパーブレーキモデルの種類を続々と減らしていく可能性が高いのでそうなったら買う!』と言う感じです。(^^;)
10 スルーアクスルの締め付け具合(トルク)によってはローターがブレーキパッドに干渉することがある
2019年1月までに、いくつかのディスクロードを組立たり、ディスクロードの方と輪行等を経験しました。これは全てのディスクロードがそういうわけではありませんが、キャリパーとフレームの相性(精度?)の関係なのか、ホイールを一度外し、再度、ホイールを取り付けた際にスルーアクスルの締め込み具合(トルク)の違い(強く締めすぎたり、締め付けが緩かったり)でキャリパー取付位置がズレてしまい、ディスクローターがパッドに少し干渉してしまうと言う事例をいくつか体験しました。特に納車後、あまり乗車日数が経っていないバイクは「パッドが摩耗していない」ためローターとパッドの隙間がタイトで干渉が起きやすいようです。
「締め付けトルクが弱い」場合は「きちんと締めこむ」と言う対処法で問題が解決しますが、干渉しているからと言ってアクスルを「緩める」と言う行為はあまりしたくはない対処法…。何度も車輪着脱時にローターの干渉が起きる現象が起きている場合は一度、ショップでキャリパー位置やアクスルの締め付け具合を確認してもらう事おススメします。
まあ、キャリパブレーキでもクイックレバーの締め付け具合で微妙にブレーキシューのクリアランスが変わることもあるんですけどね…(^^;)
とは言え、2019年現在でも基本的にユーザーにとって『油圧ディスクブレーキ』はサイクリング、ツーリング、ロンググライドイベント、街乗りと、あらゆるシチュエーションでの走行に対してメリットがある装備だとは思います。